平成19年 9月 25日 安永健太さん突然の死亡について 記録
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NEW!! 1月30日付 佐賀新聞 有明抄 |
佐賀市内の授産施設に通う安永健太さん(25)が巡回中のパトカーに取り押さえられたのは昨年9月25日午後6時ごろ。
安永さんはその場で心肺停止状態に陥り、およそ1時間後、搬送先の病院で亡くなった
◆安永さんには知的障害があった。毎日、授産施設に自転車で通い、帰宅は決まって午後6時ちょっと過ぎだったという。事故現場から3、4分もあれば安永さんの自宅。「もうすぐだ」。はやる気持ちがあったかもしれない。蛇行運転になっていた
◆警察官にはその姿が薬物かアルコール中毒者のように見えた。サイレンを鳴らし制止を求めたが、安永さんはそのままペダルをこぎ続け信号待ちのバイクにぶつかった。警察官2人が倒れた安永さんを保護しようとしたが暴れたため、応援の警察官も合わせ5人で取り押さえた
◆しかし、そこで安永さんは亡くなった。体格がよくてスポーツが自慢だが、安永さんは障害のため自分の意思をうまく言葉で伝えることが苦手だった。安永さん自身、何が何だか分からずパニック状態に陥ったであろうことは想像できる
◆「警察の過剰な取り押さえがあったのではないか」と言う遺族。「殴ったり行き過ぎた行為はなかった」とする警察。事件から4カ月、いまだ真相は分からない。憶測、予断はいけないが「保護というなら健太が生きていてのことでしょう」と言う遺族の言葉は重い。知的障害に対する理解がもう少し社会にあれば―とも思う
◆先日、授産施設の関係者らが開いた集会で最初から最後まで声を押し殺し、身をよじるようにして泣いていた高齢の女性がいた。安永さんのケースが人ごととは思えず、いたたまれなかったのだろう。真相の解明しかこの溝を埋める手だてはない。(賢)
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平成20年 1月 26日 安永さん取り押さえ死事件でシンポジウム
平成20年 1月 27日 佐賀新聞 |
知的障害者の安永健太さん=当時25歳、佐賀市木原=が警察官5人に取り押さえられ急死した問題で、「健太くんの死亡事件について考えるつどい」と題したシンポジウムが26日、佐賀市の増田会館パル21であった。障害者が安心して暮らせる社会の実現を目指し、参加者が意見を交わした。
シンポジウムには授産施設の関係者や保護者ら約400人が参加。問題の経過説明の後、健太さんと親交のあった人らが壇上に立ち、「障害者が地域で暮らすには住民の理解が必要」「今回の問題に十分な回答をしない警察は不誠実」などと意見を述べた。
事件後、身分証明のためのIDカードの携帯を通所者に徹底している授産施設もあり、保護者からは「カードを携帯しなくても安心できる社会にしたい」との声もあった。
健太さんの父親孝行さんは「街で障害者に会ったら気軽に声をかけ、ふれ合ってほしい」と訴えていた。
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【写真】警察官取り押さえ急死問題でシンポジウム、父親の孝行さんが訴えた(右)=佐賀市の増田会館パル21 |
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平成20年1月18日 佐賀新聞
遺族が告訴状提出 警察官取り押さえ死問題
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昨年9月、佐賀市の路上で知的障害者の安永健太さん=当時25歳、佐賀市木原=が警察官に取り押さえられ急死した問題で、安永さんの父孝行さん(46)が17日、警察官が取り押さえる際に暴行を加えたとして、特別公務員暴行陵虐致死の疑いで佐賀地検に刑事告訴した。
告訴状では、「氏名不詳の佐賀署員数名」は昨年9月25日夕、佐賀市南佐賀の路上で、安永さんを挙動不審者として追跡。取り押さえて後ろ手に手錠をかける際、馬乗りになって殴るなど暴行して死なせた、としている。地検は告訴を受理した。
暴行があったとした根拠について、弁護士は「複数の目撃証言や遺体の傷などから、暴行により死亡したとみるのが自然」と説明した。訴えた相手を数名としたのは、「取り押さえた警察官の人数が、県警の説明では二転三転しているため」としている。
この問題をめぐっては、地検が刑事事件として立件できるかを独自に検討している最中だが、弁護士は「真相解明が遅れている。早く、厳正な処理を促したかった」と告訴した理由を説明。孝行さんは「一刻も早い真相解明を期待している」と話した。
また弁護士は、国を相手に損害賠償訴訟を起こす方針を明らかにした。
県警生活安全企画課の喜多恵二次席は「現場のそばにいた目撃者や警察官からの聞き取りの結果、暴行の事実はなく、警察官の行為に問題はなかった」としている。
【写真】佐賀地検に告訴状を提出後会見する安永孝行さん(左から2人目)=佐賀市の弁護士事務所 |
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平成19年12月26日 佐賀新聞 |
知的障害者の安永健太さん=当時25歳、佐賀市木原=が警察官5人に取り押さえられ急死した問題で、遺族と代理人弁護士が25日、警察官の行為は人権侵害に当たるとして県弁護士会に人権救済の申し立てをした。
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平成19年12月6日
高村智庸 ワイドショー事件簿 |
知的障害者の死、警官暴行なかったか?
http://www.news.janjan.jp/column/0712/0712056706/1.php
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平成19年10月19日
佐賀県授産施設協議会(加盟団体42)は、佐賀県警察本部に質問状
佐賀県佐賀市内の授産施設(作業所)に通う、安永健太さん(25歳)は、平成19年9月25日(火)の夕方 、自転車に乗って作業所から自宅に帰る途中、蛇行運転をしたとして 警察官5人に取りおさえられ 亡くなりました。
佐賀県授産施設協議会(加盟団体42 会長 村上 三代)は、10月19日 佐賀県警察本部に真相解明を求める質問状と、障がい者への理解を求める文書を提出した。
佐賀県警察本部の質問書に対する回答期限は、10月末日
>>平成19年11月2日(金) 佐賀新聞
「回答に誠意なし」授産施設協、県警対応に反発
>>9月26日〜10月20日までの新聞記事
>>テレビ報道
>>11月1日から現在までの新聞記事
佐賀県授産施設協議会の佐賀県警へ対する質問状の内容(一部)
◎安永さんがなぜ亡くなったのか、それに至るまでの真相を明確にして頂きたい
1.自転車で蛇行したとされる場所と距離や内容を明確にしてほしい
2.停止を求めたが、従わなかったということだが、本人は自分に言われていると気が付かなかったのではないか。そのときの状況を明らかにしてほしい
3.5人の警察官が取り押さえ、手錠をかけ、何故なぐらなければいけなかったのかを明らかにしてほしい
4.「さすまた」まで何故使ったのか
5.薬物中毒・アルコール中毒者だと何故思い込んだのか
6.顔面、頭部、特に顔面頚部に深い爪あと、両腕、下肢に複数の打撲の跡があったのは何故か?明らかにしてください
「安永健太さんの突然の死亡について」
佐賀県授産施設協議会 声明の内容(一部)
・いつもの道をいつもと同じように自転車で自宅に帰っていた知的障がいをもつ青年が、何故
手を後ろに回され手錠をかけられ、5人もの警察官から歩道で取り押さえられたまま、意識をなくし、亡くなったのか?
・私たちは、警察官が知的障がいという特性を持った人たちが地域で生活しているという認識が少しでもあれば、この様な悲惨な事件は起こらなかったと信じる。
・私たち 佐賀県授産施設協議会は、去る10月11日の総会において、今後二度とこの様なことがおきないようにするためにも、真相を明らかにすることが重要だと確信した。
・私たちは、常に障がいがある人たちの人権を守る立場にあり、人権が守られる地域づくりに努力していくものです。歩行や言動が少し異なっていても、麻薬中毒などと誤ったみかたをされない社会であることを願う。
・障がいがある人の命と人権を守るために、共に考えあってくださるよう呼びかけたい。
10月20日までの新聞記事 PDFファイルでごらんください
(1)佐賀新聞 9月26日
(2)毎日新聞 10月4日
(3)佐賀新聞 10月12日
(4)佐賀新聞 10月20日
佐賀県授産施設協議会 佐賀県警へ質問書提出
(5)読売新聞 10月20日
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テレビ報道
11月7日(水) NHK(佐賀) 夕方6時10分〜
11月8日(木) NHK(佐賀) 夕方6時10分〜
11月9日(金) NHK(佐賀) 夕方6時10分〜
●平成19年11月8日(木) テレビ朝日 スーパーモーニング 8時〜
●平成20年 1月31日(木)テレビ朝日 スーパーモーニング 8時〜
●平成19年11月14日(水)テレビ朝日 報道ステーション( 古館 伊知郎) 10時24分
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謎・・・25歳男性が警官に取り押さえられた直後急死
真相求める親族
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平成19年11月12日(月) 佐賀新聞
取り押さえ急死問題 地域生活の受け皿急務 |
授産施設に通う知的障害者の安永健太さん=当時25歳、佐賀市木原=が警察官5人に取り押さえられて急死した問題は、障害者とかかわる人たちに衝撃と不安を与えた。障害者が地域で暮らすとき、安全のよりどころとなる警察との間で起きたトラブル。警察、社会は何を教訓にすべきか。一人の青年の死が重い課題を投げ掛ける。
この問題をめぐり、遺族らには「なぜ警察官のだれ一人として知的障害者だと気付かなかったのか」との思いが強い。
安永さんの障害の程度は中軽度で、施設には自転車とバスを使い、一人で通っていた。悲劇は施設からの帰り道の国道で起きた。
県警によると、安永さんは自転車に乗り、渋滞の車の間を縫うように走行。パトカーが停止を求めても応じず、信号待ちしていたバイクに追突し、転倒した。駆け寄った警察官が肩に手をかけたところ大声を発したため「精神錯乱状態」と判断し、保護したという。
5人がかりで後ろ手に手錠をかけたことについては「激しく暴れたため」としており、「職務執行法にもとづいた適正な保護だった」と主張。現場は安永さんが知的障害者だと最後まで分からなかったという。
しかし、安永さんの父(46)は「声や服装ですぐ分かるはず。アルコールか薬物中毒者と決めつけていたのではないか」と憤る。県警は否定するが遺族は安永さんが亡くなった直後、佐賀署員から「薬物中毒かアルコール中毒と思い保護した」と説明を受けていた。
ある県警幹部は「警察にとって大切なことは、不審な行動があったかどうか。何もしなかったらこのような結果にはならなかったが、警察にとって何もしないのはおかしい」と話す。
この問題で県警に質問状を提出している県授産施設協議会の村上三代会長(65)は「現場の警察官に『障害者かもしれない』との考えが少しでも頭をよぎっていれば、結果は違っていたはず」とし、「障害者ときちんと接する経験が少ないからこうなった」と指摘する。
障害者自立支援法は、障害者の活動の場を「施設」から「地域」へと広げようとしているが、今回の問題は、その受け皿が用意できていないことを浮き彫りにした。知的障害を持つ長男と暮らす佐賀市の女性(62)は、安永さんの死を知り「3年前の出来事を思い出し、ぞっとした」と話す。
夜、散歩に出掛けた長男がパトカーに乗せられて帰ってきた。両手には手錠がかけられ、近所の人たちは驚いた顔で見ていた。警察によると、安全のために持たせていた懐中電灯で知らない家を照らしていたので注意し、逃げ出したのを保護したという。手錠は車内で暴れないようにかけたというが、「障害者への理解のなさに涙が出た」と振り返る。同じようなことが再び起こり、「障害者と一目で分かるような証明書を首から下げて歩くしかないのでしょうか」。寂しそうに語った。
県警は「障害者理解と適切な対応のあり方について、随時教育、研修を実施している」としているが、具体的には警察学校での障害者施設への半日研修1回と手話研修10―15時間だけ。卒業後は講演など各職場独自の取り組みに任せている。
村上さんは「若い警察官は数日間でいいから、現場で実習を積んでほしい。障害者の意外な一面を肌で感じてほしい」と訴え、「この悲劇から学ぼうとする姿勢が本当にあるのなら、協力は惜しまない」と付け加えた。
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平成19年11月7日(水) 佐賀新聞
「警官殴打」目撃の女子高生、地検の調べに応じる |
授産施設に通う知的障害者の安永健太さん=当時25歳、佐賀市木原=が警察官5人に取り押さえられ急死した問題で、警察官が安永さんを押さえる際に殴っていたのを目撃したという女子高校生2人が、佐賀地検の事情聴取に応じていたことが6日、分かった。
この女子高生2人は発生当時、現場そばで一部始終を目撃。その後、1人が安永さんの遺族に会い、「警察官が安永さんの胸や背中を数回殴っていた」と伝えていた。2人は遺族の求めに応じ地検に出向いたという。
一方、現場で女子高生に聞き込みをして「暴行証言」を聴いたにもかかわらず、調書に記載していなかった県警の喜多恵二生活安全企画課次席は同日、報道陣に対し、「女子高生が応じてくれるなら、再度事情を聴きたい」と話した。
県警はこれまで、遺族には一貫して「殴った事実はない」と説明。喜多次席は「現場の目撃者で『殴っていない』と証言する人も複数いる」としている。
この問題をめぐっては地検が警察官、目撃者への聞き取りや、司法解剖などで死因の特定を進めている。
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平成19年11月7日(水) 朝日新聞
「殴った」情報 佐賀県警伏せる 警官が取り押さえ死亡 |
佐賀市の路上で9月、授産施設に通う知的障害者の安永健太さん(当時25)が警察官に取り押さえられて死亡した事件があり、現場で聞き込みをした警察官が、目撃者から「(警察官が)殴っているのを見た」と聴いていたにもかかわらず、調書に記載していなかったことがわかった。この目撃者には佐賀地検が事情を聴いている。佐賀県警は「一連の事情聴取に問題はなかった。意図的に隠したものではない」と話している。
県警の説明では、安永さんは9月25日午後6時ごろ、同市南佐賀1丁目の車道を自転車で蛇行しながら走行。佐賀署員が止めようとしたが、従わずに信号待ちのバイクに追突、転倒。暴れたため押さえつけたところ、数分後に意識がなくなり死亡したという。
さらに、県警は6日になって、私服の捜査員が、現場近くのファミリーレストランで取り押さえの様子を目撃していた女子高生2人から話を聞いていたことを明らかにした。2人は「殴ったよね?」などと互いに話していたが、調書を取るため、その場で別々に状況を聴き直したときは「殴った」という話をしなかったという。
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平成19年11月6日(火) 西日本新聞 夕刊
佐賀県警 「警官暴行」の証言把握 通所者急死「不確か」調書取らず |
佐賀市内の路上で9月、授産施設に通う安永健太さん=当時(25)=が挙動不審者として警察官5人に取り押さえられた直後に死亡した問題で、警察官が安永さんを殴ったとする目撃証言を佐賀県警が把握していたことが6日、分かった。これまで県警は「そうした証言は寄せられていない」と否定していた。一方、佐賀地検は警察官による暴行を目撃したという女子高校生2人から、同日までに事情聴取した。
県警によると、現場近くで友人と一緒に目撃した女子高校生から調書を取った警察官に事情を聴いたところ、警察官は「女子高校生のうち、1人が『警察官も殴っていた』と言ったが、その後、調書を取るため詳しく聴いたときは殴ったという証言は出てこなかった」と説明したという。
警察官が殴ったとする女子高校生の証言を調書に書き込まなかったことについて、県警生活安全部の喜多恵二管理官は「事情聴取に十分な時間が取れず、証言も不確かだった」と釈明している。
佐賀地検は、司法解剖を行うなどし、安永さんが死亡した経緯について詳しく調べている。
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平成19年11月6日(火) 西日本新聞 朝刊
「警官が暴行」と目撃証言 佐賀、知的障害の男性死亡で |
佐賀市の国道で9月、知的障害者の安永健太さん=当時(25)=が佐賀署員5人に取り押さえられた際に死亡し、現場近くにいた女子高校生2人が「警官が安永さんに馬乗りになって胸を数回殴ったり、背中や肩をたたいたりしていた」と佐賀地検に証言したことが6日、分かった。佐賀県警は高校生の1人から現場で事情聴取したが、詳細を記録しておらず「現時点で署員が暴行したという事実は把握していない」としている。
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平成19年11月6日(火) 佐賀新聞
取り押さえ急死で「警察官が殴打」目撃証言 |
授産施設に通う知的障害者の安永健太さん(25)=佐賀市木原=が5人の警察官に取り押さえられ急死した問題で、警察官が安永さんを押さえる際に殴るなどしたという目撃証言を県警が把握していたことが5日分かった。県警は、これまで真相解明を求め続ける遺族に対し、「殴った事実はない」と説明していた。
遺族の話では、これまで複数の目撃証言が寄せられており、警察官が安永さんを殴ったという証言も直接得た。うち1人は女子高生で、当時、現場そばの飲食店の窓越しから、友人と一緒に一部始終を目撃。警察官が抵抗する安永さんを押さえる際、背中や胸を数回、殴ったという。
女子高生2人は直後に飲食店内で警察官から事情を聴かれ、見たことを話したという。しかし、県警側は「供述調書には殴ったという証言は記載されていない」とし、双方の内容は矛盾していた。
これについて県警は、あらためて現場にいた警察官に事情を聴取。「女子高生2人に話を聞くとき、1人が『男の人が暴れていたけど、警察官も殴っていた』と言った。その後、調書を取るため、別々に詳細を聞いたところ、殴ったという証言は出てこなかった」と説明する。「警察官は確度の低い情報と判断し、隠す意図はなかったようだ」としている。
遺族は安永さんの遺体に複数の打撲・擦過傷があったことから、県警に暴行を加えた事実がなかったかなど詳しい説明を求めていた。県授産施設協議会も同様の質問状を提出したが、県警は一貫して「警察官が殴打したした事実はない」と否定してきた。
県警は「なぜ証言が記載されなかったのか、現在調査と検証を進めている」としている。
この問題をめぐっては、現在佐賀地検が警察官や目撃者への聞き取りや、司法解剖による死因の特定を進めている。
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11月3日(土) 読売新聞
「急死男性、警官が殴打」、目撃者が証言…佐賀 |
佐賀市で9月25日、授産施設に通う知的障害者の男性が自転車で蛇行運転してバイクに追突し、警察官に取り押さえられた直後に死亡した問題で、市民2人が読売新聞の取材に対し、「警察官が男性を殴るのを見た」と証言した。うち1人は直後に目撃者として県警から事情を聞かれ、見たことを説明したと話しているが、県警は「殴ったという証言は記録されていない」としている。
死亡したのは、安永健太さん(当時25歳)。女子高校生(16)と成人女性が証言した。高校生は現場の国道208号線そばのファミリーレストランで友人と飲食中、窓ごしに約5メートル離れた歩道で、警察官2人と安永さんがもみ合いになっているのを目撃した。安永さんは追突事故後、逃げようとするそぶりを見せたが、制服の警察官2人に体をつかまれ、もみ合うようにしてあおむけに取り押さえられた。1人が安永さんの腹の辺りにまたがり、胸などを5発以上殴った。安永さんが自分でうつぶせになると、1人が背中を数回殴ったという。
高校生は安永さんが救急車で搬送された後、レストラン内で、私服の警察官から当時の様子について聞かれ、氏名を名乗って説明。警察官が書き留めた内容を読み上げたのを確認し、書類に指で押印したという。
一方、成人女性は国道を車で走行中、信号待ちで停車し、高校生とは反対側から約5メートル離れた現場を見たという。制服の警察官2人がそれぞれ安永さんの足と胸を押さえ、胸を押さえていた方が安永さんの左脇にしゃがみ込み、左手で顔を3、4発殴ったという。
これらの証言について、県警佐賀署の加茂賢治副署長は、女子高校生から当時の様子を聞いたことは認めたが、「書類には、警察官が安永さんを殴ったとは書かれていない。安永さんが警察官をけったことは書かれている」と話している。
安永さんの遺体は佐賀地検が司法解剖した。父、孝行さん(46)が示された死体検案書によると、安永さんの遺体には顔面などに複数の打撲、擦過傷があった。孝行さんは「唇の右端に血がにじみ、顔の右側がはれていた」と証言している。死因は「急性心臓死」と推定されるが、詳しく分かっておらず、佐賀地検が内臓の組織を採取し調べている。
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平成19年11月2日(金) 佐賀新聞
「回答に誠意なし」授産施設協、県警対応に反発
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授産施設に通う知的障害者の安永健太さん(25)=佐賀市木原=が5人の警察官に取り押さえられて急死した問題で、県警は1日、県授産施設協議会(村上三代会長、41施設)から出ていた質問状に回答した。協議会側は「誠意ある回答がなされていない」として回答書を突き返した。
佐賀市の授産施設「かささぎの里」で、県警の担当者が回答書を提出。真相解明についての質問には「個人にかかわる内容であり、前日、遺族に説明している」と文書での回答を控えた上で、口頭で「質問にあった警察官が殴打した事実やそれによる傷などは認められない」と答えた。
これに対し、協議会の役員らは「個人の問題ではなく、障害者みんなの問題」「適正な保護というのなら、なぜ堂々と回答しないのか」と反発。県警側の「精神錯乱状態と判断して保護した」との説明にも「精神錯乱という言葉を安易に何度も使うのは、障害者差別につながり許せない」と怒りをあらわにした。
安永さんが通っていた授産施設の園長は「再発防止の糸口をつかむために質問しているのに、この返答では今後、どのような対策を取ればいいか分からず、われわれとしての職責も果たせない」と話した。
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【写真】
県警(左側)2名からの回答に意見する県授産施設協議会の役員陣(右側)
佐賀市の「かささぎの里」にて |
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